モチベーション(動機付け)
- モチベーションなしにリハビリエクササイズは成功しない
- 運動目的、必要性を共有
- 最新の科学的情報に基づいた運動と慣習に従った運動の選択
- 投球肩障害予防トレーニングの運動負荷が中程度であること
- 運動の正確性が求められる
- ただ単に行う惰性とリズムを保つ我慢の違い
言葉とデモンストレーション指導方法
- ワーキングメモリー
- 言葉は相手の記憶量を考え、一つの動きに3つ程度の言葉による指導におさえる
- 複雑な動きを伴う運動計画
- 部分運動計画を取り入れる。たとえば両膝、片膝立ち、両足平行立ちなど投球動作の習得
- 片側のみの運動を取り入れる。たとえばワインドアップでの片足立ちにおける足部、膝、でん部筋群働きを知覚
- 上半身のみの運動を取り入れる。たとえばコッキング期での股関節と胸の開きの時差を知覚
- 単純から複雑な動きに移行する
- キネマティック
- 模範(デモンストレーション)は情報が多すぎることを知る。一連の流れを模範するには最適であるが、各体節の角度を説明する必要がある。相手は各体節の動きを見ているまでである
視覚と手の動きのコーディネーション
- 知覚と動作の中でのタイミング
- ボールの到達点と手のひらにあたる瞬間からの握る動作
- 走り幅跳びにおけるジャンプのタイミング
- ホップテストでの着地時の地面反力とショック吸収、次へのプライオメトリクスを知覚と動作で意識付ける
- 力の制御
- 最小限の力でものを握るが、強く握れば肩にも影響を与える
- 姿勢制御
パフォーマンスと結果の情報
- 一連の動きのエラーを伝達
- 距離や制御あるいは数値結果などのフィードバックでパフォーマンスのエラーを伝達
- 動画再生中の一言の助言は視覚のフォーカスに役立つ
姿勢維持に必要な運動(background correction)
- 運動には随意運動と不随意運動がある。意識下で命令する随意運動。随意運動を遂行させるための不随意運動(姿勢制御:背景)。オープンキネティックチェーンとクローズキネティックチェーンの違いを姿勢制御の視点で理解する
- 錐体と錐体外路
- 錐体路は大脳皮質運動野からの命令で錐体外路は脳幹からの命令
- 錐体路は脊髄の運動神経を興奮させるが、錐体外路は同じ運動神経を興奮させる一方で筋紡錘の敏感性も高める
内側路システム
- 体幹筋群は皮質脊髄路の内側経路からの命令
- うつ伏せ、あお向け姿勢で腹筋や背筋は最大筋力に近い収縮、活性が期待できる。しかし体幹筋群は日常生活レベルだと最大筋力の5%程度、激しい運動においても10%活性化しているぐらいである。しかも投球やサッカーボールを蹴るなど以外は比較的に左右対称に活性している。
- 体幹筋群の事前活性化(エンゲージメント)
- 投球やテニスサーブ、バレーボールのアタックなどオーバーヘッド動作に重要な僧帽筋下部線維も体幹に位置する筋肉なので意識下においてトレーニングする必要がある
脳神経学の視点からのリハビリエクササイズの考え方
- モチベーションを高めることから始まるリハビリエクササイズ
- 認知過程の中で運動をする。言葉による説明とパフォーマンス後のフィートバック情報を整理できることが大切
- 運動は、うつ伏せや横に寝た姿勢から四つんばい、片膝立ち、両膝立ち、立位におけるそれぞれの随意運動と不随意運動を知る
- 股関節外旋運動なら、クラムシェル→フィアーハイドラント→両膝立ちでケトルベル用いた上体を捻りにおける逆側の股関節外旋筋の意識→サイドランジそれぞれの股関節外旋筋の緊張と運動背景の違い
- 肩の外旋運動ならサイドライン(側臥位/横向きに寝た姿勢)と立位で肩外転位90°場合の代償運動の違い
- リズムを理解した上でのフットワークドリル
- リズムは随意運動で始まり、運動中は不随意運動であり、終える時は随意運動である。
- 動きを事前に想定することで小脳の対応を高める
- 運動中は小脳が下行路(錐体および錐体外路)の命令を調整
- ケトルベルスイング運動もリズム運動であるが、股関節伸展を意識させる必要性
- エラスティック(チューブ)バンドエクササイズで運動強度の変化を知覚
- 背臥位前鋸筋パンチとフォロースルーエクササイズ(錐体路と錐体外路)
note:神経科学からみたエクササイズー下行路の仕組み