アウトカム

  • エビデンスに基づいた評価(テスト)を知る。評価はスポーツ障害に関係し、再び同じ方法でアウトカムが評価できるものである。評価は客観的な測定と主観的アウトカム評価を入れるべきである。

健側と比較

  • 健側と患側で比較する中で筋力に問題なのか、筋力なら単節なのか複節が関与しているのかを見分ける。関節可動域、柔軟性に5-20%の違いがあるのか。下肢のアライメントに左右差があるのかを比較する。

エクササイズメニュー作成

  • アウトカムの原因と運動の介入を決定する。
  • 運動はアウトカム改善だけでなく専門種目の能力スキル向上に繋がるものでなければならない。

運動介入の効果を予測

  • 運動介入の効果と原因改善を予測する。

系統立てた取り組みを構築

  • 系統立てとはアウトカム→左右比較による原因を決定→運動介入→効果の予測までのことである。
    • 「系統的」とは、順序立てて運動を進めることである。これをアルゴリズムとも言う。
      • 一方で「体系的」とは、本コンサルティングで事前に用意された内容のように、障害予防トレーニングを多面的に捉えたプログラムのことである。
    • 系統的の例として単関節運動から多関節運動。姿勢制御から機能運動。種目類似性から特異性の運動へ移行していくことである。
      1. 筋力の左右差を比較する。
        • 健側との比較で20%以下なら多関節運動へ移行する
      2. 代償運動の有無を確認する。
        • 僧帽筋下部線維の運動において僧帽筋上部線維や三角筋の過剰な活動がないかなどを確認する。
      3. 下肢の末梢感覚情報からリズム運動。
        • BOSUやエアレックスマットなどを用いてリズミカルスタビリゼーショントレーニングを行う。
        • ミニソフトウェイトボールでプライオメトリックス
      4. 上肢、下肢混合運動を行う。
        • メディシンボールから実際のボールによるキネティックリンク運動

新しい運動介入の効果

  • 系統立ての確立が新しい運動介入とその効果、目的の改善を予測することができる。
    • 改善は一定に見られるものだけではない。
      • たとえば投手の肩甲骨運動異常の改善はなかなく見られない。一方で関節可動域の改善は比較的に早いかもしれいない。つまり改善は向上もあれば停滞もある。
    • 改善は安定性のことである。
      • どんな条件下でも一定のパフォーマンスができる。
    • 改善には一貫性がある。
      • たとえばY-バランステストの距離などである。
    • 改善は専門種目の潜在能力に繋がっている。
      • あくまでも投球に類似したトレーニングであるべきで、たとえば腕立て伏せやプランクエクササイズは、肩甲骨周辺筋のトレーニングになったとしても種目特異性に繋がっていない
    • 改善後は他の能力にも応用できる。
      • たとえば肩甲骨運動異常の改善と症状の減少に投球数の増加などである
    • 改善は俯瞰することである。
      • さまざまな角度からアプローチしてアウトカムの改善につながるプログラムである。

運動介入を評価

  • アウトカムの再テストを行い導入した運動介入プログラムを評価する。

運動学習の視点からのリハビリエクササイズの考え方

  1. リハビリエクササイズは、患部周辺に関連する運動だけでなく、無意識に制御されていたところを意識できるようにもする。リハビリエクササイズでは新たな意識付けが加わえる。(background correction)
  2. 動きの中の最終地点の情報を知ることが重要である。
    • 腕の位置(感覚受容器)の記憶として動き最終地点でのトレーニング
  3. 意識付けには感覚受容器からの情報と客観的に伝達する動画もある。
    • 選手自身で感覚と運動を一致することができるかである。
  4. リハビリエクササイズは変化を加えること(いろいろな運動)が大切である。これを英語では”Repetition without repetition”(「反復なしに反復運動を行う」)という。
  5. リハビリエクササイズは「正確さ」が先でその後に「運動スピード」である。
  6. ものを取る動きの中での知覚と指先の運動の連結をリハビリエクササイズで取り入れる。

note: 運動学習の視点からのリハビリエクササイズ