テーマ１．肩甲上腕関節不安定性とオーバーヘッド動作による過少運動
学習成果
- 近位から遠位の一連の動きを理解する
- 肩関節解剖学とその機能を知る
- 肩甲上腕関節不安定性とその評価を知る
- 肩峰下インピンジメント症候群とその評価を理解する
- 肩甲上腕関節の過少運動と後関節包機能制限（tightness）を理解する
note：「肩の可動域と機能」
テーマ２．投球障害肩の疫学
学習成果
- 高校、大学、プロレベルにおける投球障害肩の疫学
- 前下関節包のカム効果、カム効果緩和、ピールバック（剥ぎ取り）を含む病理学的な投手の関節唇損傷を理解する
- 他の選手に比べ投手の関節唇修復術の成績から肩リハビリテーションにおいて保存治療の重要性を認識する
- 肩甲上腕関節内・外旋、水平内転、肩甲骨前傾など投球動作による適応性を検査する
- 両手首に2-3 kgのリストカフを付け矢状面において両腕同時に下ろす中での肩甲運動異常（scapular dyskinesis）を検査する
テーマ３．投球障害肩の検査とリコンディショニング
学習成果
- 肩甲上腕関節内旋制限が肩甲骨前傾を引き起こす肩甲骨の「振りかぶり」を理解する
- 他の自己申請成果検査用紙と比較してKerlan-Jobe Orthopaedic Clinical Shoulder and Elbow (KJOC)スコアを用いた選手の投球側の腕を評価する
- 関節唇（SLAP）損傷の症状を誘発するための背臥位で「ピールバック」メカニズム模擬を実践する。またオブライエンとして知られている自動圧迫テストと比較する
- 投手のスクリーニング検査を実施する。項目には片足スクワット、投手筋力測定で肩関節外旋、エンプティカン、腹臥位肩関節水平外転、肩甲上腕関節動作状態、ベイトンテスト、サルカステスト、整復テスト、フィリップ肩甲内転テスト、FMSローターリースタビィリティテストが含まれる
- リハビリ初期に僧帽筋下部線維と前鋸筋のリコンディショニングを臥位から立位で単純エクササイズの必要性を理解する
note: 「投球障害肩予防トレーニング」
note: 「少年野球の投球障害予防」
テーマ４．回旋筋腱板エクササイズの特徴
学習成果
- 肩甲骨に付着する３つの異なる機能をもつ筋群を特定する
- オーバーヘッド選手における僧帽筋上部線維と三角筋の過剰活性が肩甲骨回旋の悪化と肩峰下の空間を減らすことを理解する
- 回旋筋腱板の肩リハビリエクササイズにおいて適切な運動負荷を用いる
- リハビリ初期において肩の症状には臥位の肩エクササイズの重要性を理解する
- 肩外旋エクササイズの肩外転0°位で棘下筋が活性するのに対し90°位で小円筋がより活性することを理解する。
note記事：投手の回旋筋腱板のはたらき
テーマ５．エビデンスに基づいた肩リハビリエクササイズ
学習成果
- 症状がある選手・患者の臥位肩エクササイズを実践する。エクササイズには肩側臥位肩外旋、屈曲とパンチ（肩甲骨外転）、腹臥位肩伸展があることを知る
- 腹臥位での肩甲骨内転と外転での僧帽筋上部線維の活性の違いを理解する
- 回旋筋腱板を活性するために「スキャプション（scaption）」として知られる肩甲面外転運動を応用する
- 腹臥位で投球コッキング期最終位の90/90の腕の位置においてミニソフトウェイトメディカルでプライオメトリクエクササイズを用いる
- 僧帽筋下部線維を活性させかつ三角筋の活動を最小化する側臥位肩外転に肩甲骨内転で肩水平内転運動をダンベルで実践する
テーマ６．投球障害股関節（FAI）とフリーモーションエクササイズ
学習成果
- 背臥位、座位、腹臥位の股関節関節可動域を実施、投手の股関節インピンジメントを評価する
- ロバリー（robbery）ローンモワー（lawnmower）などフリーモーションエクササイズあるいはキネティックリンクエクササイズが肩甲骨運動に有効であることを理解する
- リズミカルスタビリゼーションとで肩後面筋群と小胸筋のストレッチを実践する。
- 肩甲上腕関節（下関節上腕靭帯）に徒手モビライゼーションテクニックを実施する
- オーバーヘッド選手にメディシンボールでキネティックリンクエクササイズを実施する
テーマ７．MLBおよびMiLB投手の尺側側副靭帯損傷と再建術の現状
学習成果
- MLBおよびMiLBにおける最近の尺側側副靭帯（UCL）再建術（トミージョン術）の患者数を特定する
- 他のオーバーヘッド選手と比較して投手のUCL再建術の成績を特定する
- UCL再建術とインターナルブレスを用いたUCL修復術の術後の復帰期間に関する違いを特定する
- 投手のUCL再再建術率を特定する
- UCL損傷の保存治療の成績を特定する
note：「MLBのトミー・ジョン術ー大谷選手の肘をエビデンスでひも解く」
テーマ８．尺側側副靭帯（UCL）再建術後の経過
学習成果
- 肘尺側側副靭帯（UCL）前束の解剖学的構造を理解する
- 肘の外反応力の最安定に貢献している尺側側副靭帯前束の後遠位を理解する
- UCL損傷箇所の遠位あるいは近位部を評価するための徒手ストレステストを行う
- UCL再建術後のリハビリテーション過程における術後合併症の可能性を特定する
- UCL再建術後でUCL遠位側に比べ近位側が損傷しやすいことを理解する
テーマ９．尺側側副靭帯（UCL）損傷予防エクササイズ
学習成果
- UCL再建術後の元の投球レベルまでの復帰に要する平均期間を特定する
- UCL再建術後の球種の変化を特定する
- インターナルブレス増強でのUCL修復術を特定する
- 投手のUCL損傷に多血小板血漿（platelet-rich plasma: PRP）有無での保存治療を特定する
- 最新研究報告に基づくUCL損傷予防リハビリエクササイズを応用する
テーマ１０．尺側側副靭帯（UCL）損傷リスク検証
学習成果
- 最新研究報告に基づいた尺側側副靭帯（UCL）損傷メカニズム（発生機序）の可能性を理解する
- UCLを損傷させるかもしれない身体に近い腕のスロット位置を特定する
- 最球速による潜在的なUCL損傷リスクを特定する
- UCL再建術後の打撃復帰のタイミングを特定する
- UCL再建術後の腕の状態と機能を評価するために自己申請成果用紙を応用する
テーマ１１．外傷性肩関節不安定と評価法
学習成果
- 外傷性片側一方向肩関節前方脱臼（Bankart lesion）と術後合併症を特定する
- 異なる亜分類との肩関節不安定性メカニズム（発症機序）を特定する
- 肩関節不安定性の評価：機能投球パフォーマンスインデックステストとトータルアーム筋力概念を応用する
- 肩関節不安定性患者のリハビリテーション
- 胸郭出口症候群の疫学と外科的介入