11/7-11/28(毎週木曜日)18:00-19:30

(アーカイブ配信あり)

全米最新トミー・ジョン術(肘尺側側副靭帯(UCL)損傷再建術)をエビデンスで徹底的に解説します。

2011年メジャーリーグは、「健康・外傷障害追跡システム」(Health and Injury Tracking System)を構築し、メジャー(MLB)・マイナー選手すべての外傷、障害を電子データで記録することになりました。特に肘については、選手が症状、痛みが出た時から引退するまで追跡されます。追跡記録にはチーム医師の診断だけでなく、MRIなど画像、PRPを含めた治療、再建術(トミー・ジョン術)を執刀した医師とその手法、リハビリテーション過程、再々建術の発生などが含まれます。

UCL再建術後の1年間は回復期になり、試合に向けての復帰は術後2年目以降になります。最近で言えば、前田健太選手(デトロイト・タイガーズ)や大谷翔平選手(ロスアンゼルス・ドジャース)のことですが、MLB投手の26%、4人に1人以上がトミー・ジョン術を受けています

2013年からメジャーリーグのUCLトミー・ジョン術に関した研究論文が増えました。下記のグラフは、医学検索ドライブのPubMedに”ulnar collateral ligament recontruction”と”MLB”を入力しただけの結果です。コロナ禍以前まで増え続けたのが分かると思います。

蓄積されるエビデンスは、医師の判断を確固とし、選手に最善の選択を提供し、球団は大型契約ができるようになりました。一方で、高校生を含め未成年者のトミー・ジョン術あるいはインターナルブレイス修復術の件数も流行のごとく増えました。

MLB30球団すべてのホーム球場にStatcastと呼ばれる球種分析システムが導入されています。各投球のストライク/ボール、球速だけでなくすべての変化球も分析され、投手のUCL損傷メカニズムを解明しようとしています。たとえば、UCL損傷の症状が出る15試合前までの4シーム、2シーム、スライダーの球速減などが説明されています。

講師、鶴池柾叡は、MLBサンフランシスコ・ジャイアンツチーム整形外科執刀医Dr. Akizuki(左下の写真)のUCL再建術を7か月間すぐ横で学び、これについては日本野球学会に報告しました。今回のセミナーでは2024年に出版された最新のエビデンスを含め徹底的に解説します。

下記は、各セミナー(90分)のテーマです。

11月7日:「MLBおよびMiLB投手の尺側側副靭帯損傷と再建術の現状」

11月14日:「尺側側副靭帯(UCL)再建術後の経過」

11月21日:「尺側側副靭帯(UCL)損傷予防エクササイズ」

11月28日:「尺側側副靭帯(UCL)損傷リスク検証」

今回の4回シリーズで余すことなく、全米の投球肘尺側側副靭帯損傷、トミー・ジョン術とリハビリテーション過程、その予後、MLB投手の「ハイブリッド式」再々建術(revision)および高校生投手のUCL損傷について詳細に議論します。如何にして最新ハイブリッド式を構築したのかその背景にも迫ります。

noteマガジンに関連記事を連載:「MLBのトミー・ジョン術ー大谷選手の肘をエビデンスでひも解く」

*当日参加できなかった方あるいは再度視聴希望される方にアーカイブ配信をご用意いたします。

*セミナーはBOC認定セミナーです。ATCの方には最大6.0 CEUsが付与されます。

<開催趣旨>

エビデンスに基づいた投球障害肩・肘予防の知識と神経科学視点のエクササイズスキル向上を目的に開催します。

資格、免許取得後の自己研磨、リスキリングに役立つ理論と実技を提供します。

<講師>

鶴池柾叡、PhD, ATC

米国インディアナ大学博士課程修了(PhD)専攻:運動制御、副専攻:神経科学

全米公認アスレティックトレーナー(BOC-ATC)

日本スポーツ協会認定アスレティックトレーナー

米国カリフォルニア・サンノゼ州立大学Emeritus

昭和大学保健医療学部兼任講師

元サンノゼ州立大学大学院アスレティックトレーニング資格後教育プログラム主任(2012-2022)

元大阪体育大学大学院教授

<参加料金(4回通し券)>

18,000円(4500円×4回)

お申し込み:クリック⇒グーグルフォーム

下記のQRコードからもグーグルフォームにリンクします。

参加者の声

奮ってのご参加をお待ち申し上げます。

<講習内容>

テーマ1.MLBおよびMiLB投手の尺側側副靭帯損傷と再建術の現状

学習成果

  1. MLBおよびMiLBにおける最近の尺側側副靭帯(UCL)再建術(トミージョン術)の患者数を特定する
  2. 他のオーバーヘッド選手と比較して投手のUCL再建術の成績を特定する
  3. UCL再建術とインターナルブレスを用いたUCL修復術の術後の復帰期間に関する違いを特定する
  4. 投手のUCL再再建術率を特定する
  5. UCL損傷の保存治療の成績を特定する

note:「MLBのトミー・ジョン術ー大谷選手の肘をエビデンスでひも解く

テーマ2.尺側側副靭帯(UCL)再建術後の経過

学習成果

  1. 肘尺側側副靭帯(UCL)前束の解剖学的構造を理解する
  2. 肘の外反応力の最安定に貢献している尺側側副靭帯前束の後遠位を理解する
  3. UCL損傷箇所の遠位あるいは近位部を評価するための徒手ストレステストを行う
  4. UCL再建術後のリハビリテーション過程における術後合併症の可能性を特定する
  5. UCL再建術後でUCL遠位側に比べ近位側が損傷しやすいことを理解する

テーマ3.尺側側副靭帯(UCL)損傷予防エクササイズ

学習成果

  1. UCL再建術後の元の投球レベルまでの復帰に要する平均期間を特定する
  2. UCL再建術後の球種の変化を特定する
  3. インターナルブレス増強でのUCL修復術を特定する
  4. 投手のUCL損傷に多血小板血漿(platelet-rich plasma: PRP)有無での保存治療を特定する
  5. 最新研究報告に基づくUCL損傷予防リハビリエクササイズを応用する

テーマ4.尺側側副靭帯(UCL)損傷リスク検証

学習成果

  1. 最新研究報告に基づいた尺側側副靭帯(UCL)損傷メカニズム(発生機序)の可能性を理解する
  2. UCLを損傷させるかもしれない身体に近い腕のスロット位置を特定する
  3. 最球速による潜在的なUCL損傷リスクを特定する
  4. UCL再建術後の打撃復帰のタイミングを特定する
  5. UCL再建術後の腕の状態と機能を評価するために自己申請成果用紙を応用する

記事: 高校生投手の球速と肘障害

記事: 少年野球の投球障害予防

<お問い合わせ>

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BOC-ATC保有の方に最大6.0 CEU付与

「投球障害肩・肘予防トレーニング」は、全米アスレティックトレーナー資格局 [Board of Certification (BOC)]  認定プロバイダーとして継続教育単位(CEU)を提供しています。全米公認アスレティックトレーナー(BOC-ATC)を保有する方は最大6.0 CEUs取得可

お申し込み:クリック⇒グーグルフォーム

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